百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

歌舞伎座 第三部

昨日17:30から夏休みをとりまして(ええ!?笑)、18:00開演の歌舞伎座へ。電車でギリで遅刻かも、あわわわわっとタクったら1メーターで到着。歩いていける距離なのはわかっていたが、これほどとは…。

伽羅先代萩は観たことあっても、この裏表ははじめてです。んー、だいたい交互に裏(世話)と表(時代)が出てくるのかな?芝居としてはまとまりに欠ける気もするけど、これはこれで変化に富んでいて面白い。でもまあ…そんなにしょっちゅう見たいお芝居ではないですなあ…。
序幕、七之助の頼兼。残念ながら無理がある。若いなら若いなりに動きようがあったのでは。
勘三郎が小助、政岡、仁木弾正の三役。政岡はあまり期待していなかったけれど芝翫直伝の大熱演。顔もどこやら似せているか(それとも化粧も教わったのか)。仁木弾正はやや古怪な雰囲気もあり、なかなか良い。こういうのもっとやればいいのに。
千松は子役の吉田聖くん。大熱演。お行儀もいいし充分に愛らしいし、殺される場面では演技でなのかうっかりなのか、声がひっくり返ってしまって痛々しい。鶴千代君と日替わりでやってるらしい…ひえええ末恐ろしい。
秀太郎の栄御前がとてもいい。高貴で、たぶん半ばは本気でよい政のためにと思い込んでいるらしい無邪気さもあり。
扇雀の八汐もいい。というか今回思ったんだけど、八汐は通常よくやる立役の女装ではなく、体の芯から女らしくやったほうがずっと怖いみたい。ぞくっとした。
孝太郎の沖の井、あまり動きも台詞も多くはない役ですが、舞台にぐっと重みと華やかさを加えました。近年どんどんよくなる役者さんのお一人で、今後も楽しみです。
勘太郎の男之助、これはまあもうちょっと先でもいい気がしますが、楽しんでやっている姿がよかった。動きはよかったけれど、台詞がやや単調になりがちなのと、高音で息が切れているのは残念、ぜひとも高音も頑張って、勇壮さを見せてほしいところでした。
三津五郎は舞台をビシッと締めますね、このひとがいなければ散漫になりかねなかった。ほっとしました。