百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

歌舞伎座 夜の部

休憩中のロビーで、ちょっとステキなお着物を見ました。単の、草色の綸子の色無地。白い絽の染め帯で、淡く鉄線がさっと描きつけられています。9月中旬の真夏日などという難しい日に、こんな上手な着方が見られるなんて嬉しかった。

  • 阿古屋

玉三郎の阿古屋。観るのは2度目か3度目ですが、胡弓の弾き方を変えたのだと思います。ほかも、詳しいことはわかりませんが…ものすごっく上手くなっていました。なんというか…前回(か、前々回)の印象では弾きこなすのに懸命なかんじだったのですが、今回は弾きこなした上でオリジナリティのある演奏で、かつ絵的にも最も美しかった。ブロマイド買ってしまいました。
段四郎。面白かったけれどちょっと体力的にきつそうに見えたのは、こちらの気のせいか。

  • 身替座禅

左団次の奥方。初役とは思えない迫力(笑)、終始抑えたしとやかさ転じての不気味さ。世の旦那様方にとっての浮気がバレたときの奥方って、こんなイメージなんでしょうかね…(^^;
染五郎の太郎冠者も初役、こちらはよくできていたけど、周りが凄すぎて、いまひとつ。
そして団十郎の右京。…こんなに色っぽい人だったっけ。千鳥足で花道をフラリフラリと出てくる様、花子との一夜を語るくだり、奥方ならずとも嫉妬してしまいそうな幸福感と倦怠に満ちた、素敵な右京でした。うーん、役者ってわかんないもんだ。またこのひとで観たいなあ。

  • 二条城の清正

たぶんはじめて観たんだと思うのですが。吉右衛門の清正、左団次の家康、魁春の大政所、この三者のバランスがいい。いずれにも同じだけの比重があり、芝居を形作りました。
福助の秀頼は、ちょっと判断保留。もう少し声を抑えてもよい気がしたけれど。意外と難しいのか。
驚いたのは種太郎さん。ええっと、いまいくつだ、と、ぐぐってみたら19歳か!早いなあ。観るたびに役者の顔になってきて、今日は声も非常に良かった。ほんとうに今後が楽しみです。