百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

歌舞伎座 夜の部

昨日観てきました。なんとも顔見世らしい、おなかいっぱいの贅沢な一夜。これほどの役者ぎっしり勢ぞろいを見られる幸福。上演時間長いよ…

  • 宮島のだんまり

初見…かと思ったら6年前に観ていたらしい。ただただ、これだけの役者が揃っていることを見たい見せたいばかりの演目と思われますが、福助の傾城実は袈裟太郎、思ったほどブキミ美しくはない。相当アナーキーな存在のはずなのに、何故だろう、傾城六方など手堅くはあるのだろうけど。芝のぶの赤姫が見られたことは単純に嬉しい。来年への期待を持たせる点では顔見世として相応しい舞台となりました。

  • 九段目

山科閑居。まず、なんといっても芝翫の戸無瀬が立派で情愛と配慮に溢れ、極上の一幕。歌舞伎を知らない人にもこの舞台なら見せたい。菊之助の小浪も更に磨きをかけての好演、武家の娘らしさを増した感。魁春のお石、本蔵の幸四郎、由良之助の吉右衛門、力弥の染五郎、揃うべき人が揃っての大舞台でした。染五郎とお石は、それぞれもう少し情があってもよかったかも…。

  • 土蜘蛛

楽しみにしていた演目。菊五郎の土蜘蛛、富十郎の頼光、独り武者の左團次、いずれも輝くような存在感。ことに富十郎は、品よくおおらかで惚れ惚れする。また、太刀持の鷹之資くんが元気にはきはきと勤めて気持ちがいい。番卒にも仁左衛門梅玉東蔵と巧者が揃いました。…しかし仁左衛門、番卒、似合わない〜(笑)。芝雀の巫女、菊之助の胡蝶、華やかで気品がある。

庚申塚。孝太郎のお嬢が存外にステキ♪あとは…失礼ながら、こんなところでしょうと…小悪党の華が欲しかった。ひょっとしていい出来だったのかもしれないけれど、その前までの舞台がいずれも大ごちそうだったのと、普段ならお開きの時間にこの幕がはじまるという疲れもあって、ちゃんと見ていられなかった。ごめんなさい。