百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

おとなのしゅうがくりょこう@日光 後編

前編はこちらです→http://d.hatena.ne.jp/kirinsha/20080823/1219472773

  • 8/14(木)

2日目の朝6時、気持ちの良い目覚め。

朝風呂に入る。もちろん一番風呂。ここは家族風呂がふたつあって、湯船から大きく窓がとられている。開ければ晴れていて、爽やか。
泊まったのはここ、壱番館。http://www.ichibankan.jp/index.htm
今回は2泊の予定だったので、宿は、まずは清潔であること、そして食事つきならそこそこ美味しいところでないと、2日間イマイチな晩ご飯はキビシイ。でもご予算には制約が(笑)、ということでいろいろ探してこちらになりました。
上がって、昨夜のディナーの思い出し書きに色をつけたりしつつ、のんびりと過ごす。
昨夜のディナー(思い出せる範囲で):食前酒(キール)、前菜(カプレーゼ、スモークサーモンの乗った水菜のサラダ、きのこのマリネ、鴨ロース、茄子のミートソースとチーズのっけて焼いたの)、スープ(野菜のコンソメ)、メインディッシュ(牛の網焼きグレイビーソース・・・かな。柔らかくて美味。つけあわせはバターライス、いんげん、パプリカ)、デザート(ガトーショコラ、キャラメルのムース、ベイクドチーズケーキ、レモンシャーベット、ルビーグレープフルーツ、メロン、クリームソースとラズベリーソース添え。これらがワンプレートで出てきたとき、各テーブルでちょっとした歓声があがった)、紅茶。昼間ワインを飲んでしまったので、メイン段階での飲み物は水で。ははは。いやー美味しい。この宿にしてよかったなあ。
で、今朝の朝食はワンプレートとパン籠がセットされていて、パンやジャムやオレンジジュースや紅茶などは勝手に取ってくる方式。プレートは、レタスとキャベツに白いフレンチドレッシング、ソーセージ、いんげんのキッシュ、パイナップル、ヨーグルトにいちごジャム添え。するするとお腹に入る。あー卵もヨーグルトも美味しいわ・・・。
朝食後散歩。中途半端な高度とはいえ、さすが高原。気持ちがいい。

うふふふふー。今日は相当歩くぞーやせる(かもしれない)ぞー。ということで初めて「おなかウォーカー」も装着して出かけています。http://www.wacoal.jp/onakawalker/lineup.html
うお!これはくのにちょっとコツがいるみたい・・・というか、おなかよりむしろヤバいのは太ももだったりするので、太ももスッキリ機能は有難いけど、この膨大なw太ももの肉をどう収納するかが問題。下腹からウェストにかけては全くきつくないけれど、少しひねってみるとわき腹にきているのがわかる。
タクシー呼んでもらって、傘も借りて(昨日なかったので往生しました)、さて出発しますか。

この日は東照宮二荒山神社、大猷院を制覇予定。
まず午前中は東照宮へ。五重塔がお出迎え。もうねえいきなりここの彫刻も可愛いよー。ぐるりと十二支が。正面になるところに寅(家康)、卯(秀忠)、辰(家光)。

表門を入って神庫など見ていたら、近くのおじさんが何故だか唐突に「あそこ、西浄。神様のトイレ。九つのトイレが並んでるけど、公開してないから見られないよ」と教えてくれる。そのときは、へーほーなるほどトイレは彫刻もなくふつうに丹塗りでシンプルなのねーぐらいにしか思っていなかったのだけど、後からニガイメさんに借りた本で、そこが西浄という名だが東側にあるのは何故か?それは・・・水洗トイレだからだっ(水の流れの関係上、西側に作れなかった)てな情報も仕入れる。・・・江戸時代の、神様の、水洗トイレっっ!?それはぜひ見たいじゃないか・・・公開されないかなー。
私の大好きな、江戸初期から中期特有のにへっとした目の「想像の象」。三猿でおなじみの神厩舎は丹塗りではないけれど細部がよくできてる・・・と見ていたら、異様なニオイが。あれ?入ってるの、ホンモノの白馬じゃん!見れば、昭和56年にニュージーランドから奉納されたとのこと。出勤時間は朝10時から正午まで。わーおじいさん馬だー。毎日ご出勤、ごくろうさまです。で・・・「フラッシュをたかないでください」って注意書きは、もっと大きくしたほうがいいと思うな。馬が気の毒。むこう向いてるからあんまり気にならないかもしれないけれど。

やはり彫刻は面白い。御水舎は水のぶんダメージが激しいけれど、それでも水のモチーフなど色鮮やかで躍動感があって。超有名な陽明門はたしかに彫刻も面白いけれど、いろいろ見てからまた戻ってくると、他が赤や金が主な色調であるなか、白の清らかさが好もしい。一日中見ても飽きない云々ていうけれど、私には、ときどき見に行きたいかんじの門でした。

眠り猫を潜って、家康の眠る奥社へ。もちろん近くまでしか行けません。宝塔の前を守る獅子にすごまれた。

ちなみに屋内外のかなりの部分が撮影禁止です。禁止でよかったと思う、そうでないと抑制がきかなくて、何百枚も撮ってしまっただろうから。
話が逸れました。奥社から戻って神輿舎など見る。神輿舎の天井に描かれた天女がめっぽう色っぽい。そばには奉納のお酒が・・・と、え?あ、こういう樽酒もありですか?

拝殿などお参りして、これでお昼になりました。東照宮、すごい。なんぼでも見るところがある。しかし、ここらへんまで来るとご商売の手もだんだん見えてくる(笑)。これだけ圧倒的な質量の建築物その他を守っていくには、本当にお金がなんぼあっても足りないんだろうなー。わかるけど、でももうちょっとだけ、こう・・・やりようがないもんかなあ。
おなかもすいたので、昨日お昼を食べたところの系列店(山内なので近場)の精進料理店「堯心亭」へ。http://www.meiji-yakata.com/gyoushin/index.shtml
やさしいお味の精進料理コースで、おなかが落ち着きました。店の前の毛氈で一服。暑いけれど、空気は澄んで、青楓にイチモンジチョウ(かな?この種の同定は私にはよくわからない・・・)もひーらひら。気持ちいい・・・もうここでずっと憩っていたい。

そうもいかない。二荒山神社へ行ってみましょう。
東照宮に比べれば若干、人が少なくなりました。境内に某医薬品会社の奉納した健康の神様もいらっしゃいます。更に市内のお菓子屋さんの組合が奉納したお菓子占い(ルーレットにお菓子のミニチュアがのっていて、まわして止まったお菓子で今日の運勢を占うもの)もあって、小学生の男の子がお母さんに急かされながら、いい運勢が出るまでまわしつづけている。いい運勢が出たものの、読みにくそうだったので読んでやると喜んで「ありがとう」と言って駆けていった。可愛いなあ。その後、私もやってみた・・・ら・・・足元に注意、ですって。くそうあのガキ私の良い運勢を持って行っちゃったな?<大人気ない
まあ、そんなゆるい境内を擁し、東照宮に比べて華麗さでは劣るものの、穏やかで清々しい印象の拝殿で参拝。神苑へも参拝。神苑にひいた霊泉の水で点てた抹茶と、神社の紋である三つ巴を象ったお菓子をいただく。

一息ついて、いよいよ、この壮大な計画の実行者、家光を祀る大猷院へ。ここのモギリで共通拝観券は終了。っと、さっき気になってたあれを訊こう。「あのぅー、この入り口のところにあったお堂先の道、慈眼堂って書いてあるんですけど、そちらはどのようなお堂なんでしょう・・・?」「慈眼堂は天海僧正をお祀りしております。拝観券は300円です」うおーそうですか!聞いてみるもんですね。天海僧正は日光をここまでの大規模霊場とした立役者。だけど・・・くたびれてきたので、天海さんちはとりあえず大猷院を拝観してから考えましょう。
と、見えてきました仁王門。色鮮やかでちょっと乳首がプリチーなお二方に迎えられる。そうれい、ドン。

そして日光山内最大の門、二天門。東照宮と共通のモチーフが使われつつも、こちらは神社としてよく設計され洗練された印象。基本となる色調に黒が多く使われていることによるのか。いや、全体の統一感もバツグンだ。ニガイメさんもこの美しさに感心しきり。

はー。堪能しました。夕刻も近づくが、夏の有難さ、まだ日は高い。慈眼堂を拝見して日光の締めといたしましょう。
大猷院のモギリで拝観券を買うと、少し道を戻って、勝手に「関係者以外立ち入り禁止」と書かれているところをモロ観光客が入っていくわけです。うう、見送る人の視線が痛い。かか関係者です。小心者なのでそんなに見ないでください。
ここから先は一転して、苔の美しい石段が続く。・・・滑る。お菓子占いの足元注意って、このことだったのか。当たるじゃん。
こざっぱりとした誰も居ないお堂に着き、ぐるりと回って天海僧正の墓を拝む。後ろから説明のおじさんを含む数人の中高年グループが追いつく。おじさん曰く「こちらのお墓は、僧侶のものとしては日本で最大のものです」なるほどー、たしかにこんなに巨大な丸石がのっかってるお墓ははじめてかも。ともあれ、関東一円の小中学生がこぞって遠足やら修学旅行に来る、こんなすてきな一大霊場を企画してくださって、ありがとうございます。

足元に気をつけつつ道を戻る。出口の石灯籠のシダが陽に映えて美しい。日光は水の豊富なところと改めて思う。全ての参拝を済ませた達成感と爽快感。下新道を通って、休憩所へ。途端に喧騒。ああ人の世よ。私はこちらに生きている。ニガイメさんはビール、私は天然氷のかき氷。雨が降りはじめた。ありがとう日光の神仏。いい参拝だった。

宿へ戻ってお風呂、夕食までしばしぐったりと倒れこむ。おなかウォーカー、効いた・・・わき腹に確実にきている。下腹にもちょっときてる。どうよどうよとニガイメさんに見せ付ける。今日の夕食でそれもおじゃんかもしれないが。
夕食は、ロゼワインのハーフボトルを頼んで、前菜(水菜とルッコラのサラダに生ハムのっけたの、ワカサギのマリネ、プチトマト、かぼちゃ、レンズ豆のキッシュ・・・これ絶品!、ローストビーフ)、スープ(じゃがいもかな?クリーミーなポタージュ)。今日はお酒がよく進む。赤ワインに切り替えて、メインディッシュ(チーズリゾットに鶏のソテー、カリッカリのハッシュポテト、セルフィユ、ガーリックたっぷりトマトソース)、デザート(パンナコッタのマンゴーソース、クルミのタルト、レモン?ピールのたっぷり入ったパウンドケーキ、バニラアイス、オレンジ、葡萄、メロン)。うーまーーい!!連泊の方はメニューが変わりますということだったけど、こんなふうな変化のつけ方は嬉しい。前菜もメインも、更にはデザートも替えて来るなんて思わなかった。やるなあ。
みっちりとお灸して、テレビでオリンピックなどちょこっと見て、就寝。

  • 8/15(金)

6時起床、風呂。昨日と同じく快晴。もうあとはお土産買って帰るだけ。
7時朝食。飲み物等は昨日と同じ。キャベツと人参とレタスのサラダに和風オニオンドレッシング、トマト、ロースハム、スクランブルエッグ、キウイ、バナナ入りヨーグルト。こちらも周囲のお皿と少し違う。えらいなあよくやってるなあぶっちゃけこの値段で。気に入っちゃった。気になったのはベッドマットがもう少し固いといいなということと、ウェルカムドリンクはセルフサービスなのだが、これにただの冷やした水があれば、せっかく水のいいところなんだから、もっと嬉しいなあということ。それに、お風呂の脱衣所に扇風機があるといいかな・・・他は文句なし。
チェックアウトまでのんびり過ごし、宿のご主人のご好意に甘えて、他の二組と一緒に駅まで送っていただく。隣り合わせたカップルは、これから戦場ヶ原へ向かう由。我々は帰途へ。さあ買うぞここも戦場だ(笑
地酒の試飲をしたり(偶然にも東照宮にお神酒をおさめているお店だった)、湯葉の試食をしたり、行ったり来たり。日光彫は悪くないけれど、とてもいいものはとてもいいお値段。手が出ない・・・子供の玩具なども、心惹かれるものはありつつも。食べるほうは、甚五郎煎餅、カステラやチーズケーキ、日光のけっこう漬け、山椒漬け、湯葉金谷ホテルのパン、日光ビールなど。そこそこ選べて需要に応えられる。観光地として、よくできているのだなあ。
昼食は駅前の「らんぶる」という食堂で、日光ラーメンと日光餃子。ここは写真撮ってても気にならなさそうだと判断し、この旅ではじめての食事写真。カメラを持ったままふと窓の外を見れば東武日光駅の時計に・・・わあお・・・鳩がいっぱい。「鳩時計だ」「鳩時計だね」ということで、こちらも超望遠でカメラにおさめる。あー手ぶれてる。

JR線で帰途に就く。宇都宮からはグリーン車ラクラクと(しかし途中からものすごく混みだしてちょっといたたまれない雰囲気に。私はつくづく気が弱い)。宇都宮では翌日の義弟の誕生日用に冷凍餃子を買った。旅から日常に帰る幸せもあるね。
よい夏休みだった。終戦記念日