百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

歌舞伎座 夜の部

おひさしぶりの歌舞伎日記です(笑
行くだけ行って全く書かないことが続きました。いかんですな。先月の勘三郎とかすんごくよかったのにねえ。
今月の夜は、蘭平物狂、勧進帳三人吉三

  • 蘭平物狂

ちゃんばらがお見事!後半のちゃんばらを楽しむ芝居ですよね・・・いやごめんなさい、前半もいろいろ工夫や苦労があるのだろうとは思うのだけど・・・それでもこのちゃんばらは素晴らしかったのですよ。
とにかく三津五郎が休み無く暴れまくり、拍手に次ぐ拍手の30分。最後、フラフラになる演技なんだけど、たぶんご本人、素でもフラフラなんではないかと思うのですが、そこを見せずにフラフラの演技をするというのは、すごいことなんではなかろうかと。
繁蔵の宜生くんが、ほんとに芝居が好きなんだなあ、はりきって勤めています。

バランスの良い舞台だったのではないかと思います。吉右衛門は流石でしたが、声がやや不調で残念。
しかし、いやー菊五郎の富樫が、上品で気迫も充分、よかったですよぅ〜。あと、四天王で段四郎が出ていて、他の三人の若さとの対照が際立って、渋くてステキでした。

玉三郎・・・上手いのだけど、どうにも、お嬢吉三が似合わない・・・。意外と不器用な人なのかもしれないと思ったり、いやこの役は器用な人には却って難しいのかもと思ったり。男に戻るところが決定的にまずくて、男じゃないんだもん、男のふりしたおばさんみたいになってるんだもん。なんだか勿体無いかんじがしました。
お坊の染五郎、和尚の松緑、無難。全体に黙阿弥ものの悪の華が感じられず、ちょっと食い足りない思いで劇場を後にしました。