百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

歌舞伎座 閉場式

※5/9UP。
さよなら。

どうやらプラチナチケットと化していて、もともと1万もしないものが10万とか凄い金額で取引されていて驚く。東銀座の駅にも「はいチケット買うよー」のお兄さんが出ていて、いやはや驚き。どんな人気公演だって、まさか歌舞伎座でこんなことがあるなんて・・・。
ニガイメさんのお知り合いのおかげをもちまして、私のような一介の観客が定価でもぐりこめたことの僥倖を思う。私などよりずっと歌舞伎を愛しているのに、涙を飲んだ方もたくさんいらっしゃったことでしょう。すみません。及ばずながら、有休をとって朝から万全の体制で、力いっぱい観てまいりました。
ところで、すごくすごく着ていくものに悩んで、結局、ビジネススーツにパール大玉ネックレスという、なんというかオバチャン風の格好で行ったのですが、まあこれが正解で、ほとんどの人が訪問着かスーツでした。式典ですからね。
1階の後ろのほうは、幹部俳優のご家族勢ぞろいで壮観。ほかにもきっと有名人たくさんいらしたんでしょうねー。

  • ご挨拶

尋常なご挨拶。壇上には大きな松の盆栽、立派。大谷さんということは「竹」の方の御子孫であるから、ここに松で松竹にしたのかと思う。

  • 都風流

当代、大看板を背負う立役者&兼ねる役者勢揃い。素踊りにはそれぞれの特徴が出て面白い。踊りは三津五郎がダントツに上手い、のだけど、踊りの上手さだけでない、それぞれの花があって、まるで夢のよう。

5人の花子!どうするのかと思ったら、最初に福助が出てきて、七三でちょっと玉三郎が絡む。ここの作りは菊之助なんかとやった二人道成寺っぽい、ところで玉三郎はほんとにほんとに、すっぽんから出入りするお役が似合う・・・!また福助一人になって本舞台へ。このあと、乱拍子、手踊り、鞠歌、花笠、鞨鼓・・・と、それぞれ5人の花子が入れ替わり立ち代りしながら踊っていく。手ぬぐいは玉三郎。所化さんたちは全て御曹司たち・・・歌舞伎の未来は明るいね。手ぬぐいと言えば、今回あまり遠くまでは放られず、1階の前の方へのみ「蒔かれた」感。途中、舞台のすぐ下まで立って出てきたお嬢さんがいたけど、そこには渡らなかったんじゃないかなあ。鈴でまた二人道成寺風になり、鐘入りでは勢揃い!なんだか凄いものを観てしまった。ところで時蔵のよろしさに改めて敬服。この方の、うんと華のあるお役を、もっともっと観たい。

  • 口上

芝翫を中心に、上手に藤十郎、下手に富十郎藤十郎の挨拶半ばで拍手の後を引き継いで富十郎がはじめてしまい、藤十郎が一瞬。「ええ!?」と、たじろいだように見えて可笑しかった。あららー。藤十郎はこのあとの手締で良いところを持っていったので、まあここはご愛嬌ということで、よいではありませんか。

幹部総出演。ひな壇が凄いことになっていました。この写真、大きく延ばしたものが欲しいな。どっかに出ないかなあ・・・!松竹の社長が出たところで「迫本!」と声がかかる。ああー大向こうさん、今日は確実に1階から3階のどの階にもいるご様子。

これで、いまの歌舞伎座とはほんとのほんとにお別れ。感無量。私、ここで育ててもらったもの沢山あるんだなあ。
4月はどの日もそうだったけど、元禄忠臣蔵の城明け渡しの如く、名残を惜しんで去らぬ観客・・・