百八記blog

はてなダイアリー「百八記」から引っ越しました。相変わらずの、がさつずぼらぐーたら。

新橋演舞場 第三部

  • 宿の月

役者はよかったけど演目が悪かった。踊りは踊りでも、あのお二人をもっと輝かせる方法があったのではないか。だいたいその後の演目が新歌舞伎なんだから、もっとぐっと古典でよかったのでは?

今夜の勘太郎、一所懸命。目が離せないとはこのこと。お父さんの薫陶もよろしく、体の動きもよく。前にも何かのお役のときに思ったのだけど、ふとした表紙に野生を秘めた、非常にダイナミックな魅力を感じることがある。あらも探せばたくさんあるし、決して器用ではないのですが、大器晩成の感じがしています。おおきな、おおきな役者になってほしいです。
七之助、美しい若女房。弱さがにじみ出て、そこが色気になるような。そういえば以前、このひと牡丹灯篭やりましたっけね。ああいう寂しい美しさが、今回も生きました。
・・・獅童がんばれ。うっかり笑ってる場合じゃないでしょ。色悪と言っていたけど、ちょっと無理がありました。腹の底が浅い印象。もっといろいろ抱えた人物像でもいいのでは。
小山三さんお元気でなにより。以前、ずいぶんお痩せになって心配しましたが、すこしふっくらされたでしょうか。愛されてます。ああいう役者さんがいてこそ舞台は深みを増しますね。
滝の演出。いやー道具の方も、早替わりで替わりを勤める役者さんも、うしろで働く方々も、ほんとうにおつかれさまでした。見ごたえありました。
これだけ練った舞台で、せりふを忘れる役者がいたのは、ほんとうに残念でした(もう中日ですから、度忘れなんでしょうけど)。